【完結】SnowMan &SixTONES×紅二点 (ページ5)

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そんな大好きな先輩だけど、
ひとつだけ、辛いことがある。

それは好きな人が一緒であることだ。

その事に気づいたのは些細なことがきっかけだった。

当初の風当たりの強さから、
男性とは一定の距離を保つ彼女がたった1人だけ、
下の名前で、呼び捨てで呼ぶ人がいる。

そう、私の好きな人でもある渡辺翔太くんだ。

翔太くんは石黒ちゃんの先輩にあたる。

SnowManのオリメンはみんな先輩であるから、
ふっかさん、阿部くん、照くん、舘さん、
佐久間くんと敬称をつけて呼んでいる。

また、加入組のメンバーのことも、
目黒くん、康二くん、ラウちゃんと呼んでいて。

そんな彼女は翔太くんだけ翔太と呼んでいるのだ。

そして2人で話している時は
誰も入り込めない雰囲気があって。

近しい距離で、楽しそうに話す様子に
いつも苦しい気持ちになってしまう。

私が翔太くんを好きになったのは、
ちょっとした出来事がきっかけだった。

ーーーーー

渡『歌声めっちゃいいね。』

「え？」

ボイトレ室で1人練習していた時、
同じく部屋に来ていた翔太くんに話しかけられた。

SnowManの渡辺翔太くん。

樹が仲良しだからみんながいる場では
話したことがあっても、こうして1対1で
話すのは初めてだった。

渡『すげー聞きやすい。SixTONESの中にいても絶対大丈夫な声だよね、雪白ちゃんって。』

「あ、ありがとうございます。」

この時、唯一自信のあった歌に
少し自信を失いかけていた頃だった。

渡『頑張って。』

頭をポンと撫でられ、翔太くんは部屋を出る。

「だめだ。絶対顔赤い。」

私は両手で熱くなった頬を押さえながら呆然としていた。

ーーーーー

それからというものの、翔太くんのことばかり
目で追ってしまう自分がいて。

そうすると必ず目に入るのは、
隣で微笑む石黒ちゃんの姿で。

クールな石黒ちゃんも、SnowManのメンバー、
特に翔太くんの前だと柔らかい雰囲気になる。

お互い美容が趣味なこともあって、
気が合うのかいつも楽しそうに話をしている。

そんな姿を見て毎回悲しくも辛い気持ちになって。
でも、お似合いな2人を見ると踏み込む勇気は出ず。

いつもの、表面的にしか翔太くんとは仲良くできない。

なんで好きな人が被ってしまったのだろうか。
それも1番被りたくない人と。

このやるせない気持ちを持ちながら、
今日も私は仕事をこなしていく。