７曲目 ページ7
店員「ありがとうございました！」
渡「美味かったな」
「……」
渡「ん、どうした？」
渡「もしかして酔い回った？」
会計時。私も出すって言うから会計は割り勘。
お互い出し合って、いざ帰ろうとすれば、店の外で突然立ち止まるA。気分でも悪いのかと覗き込めば、ほんのり赤く染まった顔と潤んだ瞳で俺を見つめる。
渡「っ、」
「しょうた…」
渡「なに、？」
「……まだ、」
渡「え？」
「…もう、、少しだけ、一緒にいて…？」
渡「…………………いいよ」
渡「お邪魔します」
「はぁい」
「あ、これスリッパねぇ」
渡「おぉ、ありがと」
一応初対面なのに、早速Aの家に呼ばれた。
なんでこうなったのか分かんないけど、とりあえず出されたスリッパを履いてリビングへ。
渡「うわ、」
「ん？」
渡「The女の部屋」
「言い方やだぁ笑」
「あ、匂い大丈夫？デュフューザー置いてるからさ、もし匂いダメだったら……」
渡「大丈夫。これいい匂いすんのな」
「石けんだったかなぁ」
「私匂いキツいの得意じゃないんだよね。」
渡「へぇ」
「しょーた、何飲む？」
渡「あー水があれば」
「あるよー」
「用意するからちょっと待っててね」
「適当にそこらへん座っててー」
渡「んー」
……ん？なんだこれ。
「…！ わああ！だめだめ！！」
渡「おわ、びっっくりした…」
「もう！女の子の部屋勝手に物色しないの！」
渡「ごめん」
「いいよ。 はい、お水」
渡「ありがと」
水を受け取って、「座っていいよ？」と言われたので有難く座らせてもらう。
渡「…………なぁ、さっきの」
「もう忘れてー」
渡「あの男彼氏？」
「……彼氏だったとして、翔太を家に呼ぶわけないじゃん？」
渡「じゃあ元カレ？」
さっきAが隠したものは、何故か不自然に伏せられてた写真立て。ちらっと見えたそこには、男と写っているAの姿。
雰囲気的に幸せそうだったし、多分恋人とのやつ。
「……8年間付き合った元カレ」
渡「8年？長ぇな。なんで別れたの？」
「好きな人が出来たからって、急に」
渡「は？ガチ？」
「意味わかんないよね…笑」
「8年も付き合ってたし、そろそろ結婚かなとか思ってたのに…」
寂しそうな顔で笑うA。
こういう時って、なんて声かけるべき？
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作成日時：2023年9月17日 15時
