６曲目 ページ6
「えぇ！江戸川出身なの！？」
渡「うん。 メンバーの宮舘と佐久間も」
「うっそ！ 同じ出身の人初めて！！嬉しいー！」
お店に来てから1時間半くらい。最初こそ緊張してたけど、思っていたより共通点が多くてすぐに打ち解けた。
苗字は堅苦しいからってお互い名前呼び。
気が良くなったのか、Aはお酒を頼み始めて、まだ2杯目のくせに顔はもう真っ赤。 ふっかと同じで肌が白いからより目立つ。
渡「なぁ。もうその辺にしとけば？」
「やだ！まだ飲む！」
渡「えー、めんどくさ笑」
「めんどくさいって言うなー！」
酔っ払うとめんどくさいタイプだってことは分かった。
でもなんでだか嫌じゃない。むしろ可愛いなって…
「しょーたものもうよぉ」
渡「飲まねぇよ。 俺も酒弱いの。帰れなくなんだろ」
「わたしよってない！」
渡「酔っ払いはみんなそう言う」
「よってないってばぁ…」
渡「置いて帰ってもいいんだぞ」
「しょーたひどい」
渡「てか俺ら一応初対面ね？」
「んふふ、なんか初対面な感じしないねぇ？」
渡「酔ってるからだろ笑」
「帰りたくなぁいい」
話が飛躍しすぎてついてけねぇ…
「しょーた？」
渡「なに」
「ううん。めんどくさいって顔してるから」
渡「あー」
「ごめんね？ のみすぎちゃった、」
「しょーたと話すの楽しくて…ごめん、」
さっきまでテンション高かったのに、急にしおらしくなって、グラスを見つめるA。
急になんで落ち込んでんのか分からない。
確かにめんどくさいけど、嫌じゃないんだよ。
コロコロ変わる表情も、会話も、楽しいし…
「んん、かえろっか、笑」
渡「え」
「え？」
渡「帰りたくないんじゃねぇの？」
「うんー、帰りたくはないけど…明日も仕事あるし、笑」
それは、そう。俺も仕事ある。
でも…
渡「……いや、まぁ、そうだよな。うん。」
「しょーた？」
渡「ごめん、帰ろ。」
まだ一緒にいたい。 そう言えばいいだけなのに、どうしてもその一言が言えない。言うキャラじゃないし、恥ずかしいし、なにより付き合ってもないのに言えるわけない。
まぁ付き合ってからもあんま言わねぇけど。
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作成日時：2023年9月17日 15時
