５０曲目 ページ50
あの後、ふっかと涼太が気を利かせてくれたのか、用事があるから先に帰ると言って、今病室には俺とAだけ。
なんだかんだ、メンバーと一緒に帰ったりしてたから、2人きりなんてほんと事故の前日ぶり。
「なんか、、改めて翔太と2人きりって緊張する、」
渡「なんでだよ」
「…翔太はさ、辛くないの？」
渡「なにが？」
「私が、その…翔太のこと覚えてないって、」
布団をギュッと握って俯いた状態で聞いてくるA。
正直辛くないって言えば嘘になる。でも、佐久間に言われた通り、俺だけが辛いわけじゃない。
それに、記憶はあるないけどAはちゃんとここにいる。
渡「辛いけど、Aが生きてんならそれでいい」
「翔太、」
渡「記憶なくてもまた好きになってもらえばいいし」
「もう好きだよ」
渡「足んない。もっと俺でいっぱいになればいいよ」
「翔太でいっぱいって、笑」
渡「何、嫌なの？」
「ううん、嫌じゃない。翔太でいっぱいになりたい」
渡「誘ってんの？」
「へ、？」
渡「俺でいっぱいになりたいって」
「な、ちがう！！翔太がいっぱいになればいいって…！」
渡「そんなこと言った？」
「っ、もう！翔太のばか！」
渡「急に罵倒してくんな」
「ばーか！」
渡「子供かよ」
「翔太の方が5歳児！」
渡「誰も5歳児とは言ってない笑」
「あれ、ほんとだ…なんで私5歳児って、」
渡「まぁ、心が覚えてんだよ。知らないけど」
「適当だなぁ笑」
渡「Aさ、あんま無理して思い出そうとしなくていいから。どんなAもAなんだし」
「…うん、」
渡「なに？」
「ううん、なんでもない！」
渡「隠そうとしても無駄だからな。」
「え、」
渡「何年Aの彼氏でいたと思ってんの」
渡「元カレに比べたら短いかもしんねーけど、俺の方が圧倒的にAのこと分かってるから」
「ふふ、どこで張り合ってるの？笑」
渡「いいだろ別に」
「…ありがとう、翔太」
「ちょっとだけね、記憶ないことが悔しくなっちゃっただけ。 前の私は翔太にいっぱい愛されてたんだなって分かったから、」
渡「自分に妬いてんの？」
「うん、笑」
渡「バカなの？」
「そうかも」
渡「認めんな？」
「でも、大丈夫！記憶あるときの私に負けないくらい翔太のこと好きだもん！だから、翔太に今の私も好きになってもらえるように頑張るね！」
頑張るって、
なんかデジャヴだな…これ、
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作成日時：2023年9月17日 15時
