４５曲目 ページ45
佐久間のスマホで、電子版の俺のananを読むA。
真剣に画面と向き合うからなんだかドキドキして、どういう立ち位置でいたらいいのか分からない。
そんな俺を察してか、佐久間がニコニコ笑顔でAに「なんか思い出せそー？」と一緒に画面を覗いた。
「いや…なんか見たことあるような気もしてるんだけど」
「それよりも中身がえっちすぎて…」
目「セッ特だからね」
佐「まじでこの翔太やばいよねぇ」
「うん、……えっ」
次々にページをめくっていたAが、とある画面で指を止め、俺の顔をじっと見る。
…え、なに？
渡「俺なんかしてた？」
「…ちゅー、してる、」
渡「え？」
「相手のモデルさんに、翔太がちゅーしてる、」
渡「あー…上唇に触れかけてるやつね？」
「ちゅーじゃん」
渡「寸前だって」
「だってこんなの、はむはむする前だもん、」
渡「はむはむする前だから、寸前なんじゃん？」
「でも触れてるよ？モデルさんの唇に、触れてる」
渡「触れてるふうに見えてるだけ」
「……」
渡「いや何怒ってんの」
渡「ほんとそう見えてるだけだって」
ってか、このやりとり発売された時もやったな。
Aが電子版で買って、夜中にLINEしてきて…
「しょーた、このモデルさんのこと好きになってそう」
渡「なってないよ」
「でもスタイルめちゃくちゃ良いよ？」
「顔だって綺麗だし、胸もあるし、、」
渡「……ねぇ、俺が外見だけで好きになるやつだと思ってんの？」
「ちがうの？」
渡「違わない」
「ほらぁ…」
渡「でも仕事だし好きになることはねぇよ」
渡「Aだって、仕事で他の男に触れたりするけど、好きにはなんないでしょ」
「それは、そうだけど…」
渡「…ちな、このやりとり前もしたんだけど」
「え？」
渡「Aが記憶あるとき、俺のanan電子版で買って、今みたいな感じで、あんときはAが拗ねて怒って喧嘩したけど」
「………」
渡「記憶なくても、おれが他の奴とキスしてんのやなの？」
「それは、……わかんない、けど、」
渡「でもさっきの反応ってことは、ちょっとはモヤってしたってことだろ？」
「……なんか、やだなぁとは、」
「でも、私にはひろくんがいるし…！」
佐「ストップストップ。 …ひろくん誰？」
「ひろくんは、その…」
渡「Aの元カレ」
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作成日時：2023年9月17日 15時
