４２曲目 ページ42
「付き合っ、てた？私と渡辺さんが…ですか？」
阿「そうだよ」
岩「俺らも知ったのつい最近だったけどね？笑」
阿部と照が説明してくれた中、俺は黙って2人の近くにいて、なんなら照の後ろに隠れてたんだけど、俺と付き合ってたって事実を知ったAと目が合った時、なんだか胸が苦しくなった。
そんな事実を知らないとでも言うような目。
もしこれが照やふっかの言うように嘘なんだとしたら、Aの演技上手すぎるって話なんだけど、もし本当に俺の事だけ忘れてるなら、今後先思い出してくれることがないような気がするくらい、冷めた視線。
そりゃそうだよ。だって今のAは俺の彼女じゃない…
今好きって伝えても、きっと前みたいに嬉しそうにしてくれない。
私もって、笑って言ってくれない。
渡「…ごめん、俺やっぱり、」
このまま居続けても辛いだけ。
Aは俺の事を思い出さないんだから、このまま忘れたまま、、
岩「逃げんの？」
渡「逃げるって、」
阿「ねえ翔太？ あれ、見て」
渡「え？」
阿部に言われて指さす方に視線を向けると、ベッド脇の棚に大切そうに置かれている小さい犬のぬいぐるみ。 Aと付き合って初めての誕生日プレゼントに俺があげたやつ。
渡「それ、」
「え？…あぁ、これ」
「事故の時私が握りしめてたやつみたいで」
「持ってた記憶はないんですけど、なんか…大事にしてたような気がして。もうボロボロなんですけど、捨てられなくて笑」
渡「っ、それ…俺が、…俺がAの誕生日にあげた、やつ、」
「えっ」
渡「A、犬好きって言うから、付き合って初めての誕生日に…」
「そっ、か……通りで大切なわけだ、笑」
渡「え？」
「渡辺さんの言うように、本当に私があなたと付き合っていたなら、これを大切にしていた意味もわかるなぁって。 全然思い出せないのは申し訳ないんですけど…笑」
阿「それ、記憶あるときのAちゃんに見してもらったんだよ。翔太が一生懸命選んで私にプレゼントしてくれたんだよー！って笑」
岩「そうそう、翔太顔真っ赤にしてたよね笑」
渡「はっ、してない！」
阿「いーや、耳まで真っ赤だったよ笑」
渡「だから赤くないって！」
「ふはっ笑」
渡「え、」
「なんか、渡辺さんのその感じ懐かしい気がします笑」
「かわいい笑」
渡「なっ、！」
阿「良かったね、可愛いってさ笑」
渡「っ、」
岩「顔赤いよ？笑」
渡「お前らのせいだろ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 511人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2023年9月17日 15時
