３２曲目 ページ32
渡「A」
「わっ、びっっっくりしたぁ、」
渡「なにしてんの？」
「グミ見てる」
渡「私前世これだったのかなぁって？」
「そう笑」
渡「そういえば、Aの家に置いてたグミ食った？」
「あ、食べた」
渡「おい」
「ごめんごめん！新しく買うから許して？」
渡「…しょうがねぇな、」
「へへ、ありがと♡」
「どのグミがいい？」
渡「これ」
「おっけ！買ってくる！」
渡「ん。先外出てる」
「わかったぁ」
俺が指さしたグミを手に取ってレジに向かうAから離れて、コンビニの外でスマホをいじりながら待っていると、突然画面に表示された一枚の写真。上にはAirDropと表示されていて、届いた写真には「翔太くんのこと、毎日近くで見てるよ」の文字。
とりあえず証拠になりそうだからと写真を撮って、“辞退”の文字を押すと画面上から消え去った。
渡「はぁ…」
「しょーたっ」
渡「っ、あぁ…Aか」
「ん？どうしたの？」
渡「いや、なんでもない。…てかホットスナックも買ってんじゃん」
「あはは、お腹すいちゃって笑」
渡「ひとくち」
「えーやだ」
渡「俺のグミ食ったくせに」
「もうごめんってば！笑」
「はい、ひとくちあげるから許して！」
渡「しゃあないな」
「これが目的だったくせに」
渡「んまっ！」
「しょうた、口についてるよ？笑」
渡「まじ？」
「ほんとそういうとこ子供みたい笑」
渡「うっせぇな笑」
「よし、帰ろ！」
渡「はいはい」
「あ、そうそう聞いて！」
「私が好きなアイス今度また発売するんだって！」
渡「そうなの？ じゃあ今度買わないとな」
「大量に買い溜めしよ」
渡「あんま買いすぎんなよ」
「えー、」
渡「えー、じゃねぇよ笑」
「翔太の分も買うから！」
渡「……まぁそれならいいか」
「一緒に食べようね♡」
渡「はいはい」
他愛もないことで盛り上がりながら家までの道のりをAと並んで歩く。
さっき届いた気味悪い一言の写真なんてもう頭から抜け落ちていて、帰ってる最中もなんとなく見られてる気配はしてたけど、Aが笑いかけてくるから、どうでも良くなっていた。
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作成日時：2023年9月17日 15時
